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名も無き海の境界線の日記です。ぐだぐだ書いていくつもりです。
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 私がいない間、何もないのはあれだなぁと思ったので小説置いておきます。
 内容は世界樹3でうちの子話です。
 恋愛要素あるのでできればプレイ日記と小説にある後日談読んで下さると嬉しいです。(目に見えていちゃい茶はしてない)
 あとやっぱりどこかホモネタっぽく見えるYO!


~約5cm~

「ん…よし」
 いつもみつあみに結わえている髪を今日はポニーテールにして、フィオーレは朝食に作ったみそ汁の味を確認して満足そうにうなずいた。
「おはよう。」
「おはよ」
 いつもの通り、朝が早いモニカにフィオーレは笑顔で返事を返す。丁寧にとかした紫の髪に残った寝癖を見てフィオーレはちょちょいと直してやりながら言った。
「今日は怖い夢みなかった?」
「ええ。おかげさまでね、最高の気分だわ。」
 その言い方と恥ずかしそうに染めたほほを見るに寝癖を直したことに気付いたのだろう。フィオーレは明日はうまくやってやろうと心の中でそう誓う。まぁ、明日もそうやって寝癖を作られるというのもなんだかあれだが。
「おはよー」
「おはようみんな!今日も早いな!」
 だるい返事はスティーブだ。相変わらず可愛らしいピンで左側の前髪をしっかり押さえている。髪がくしゃくしゃなのはファッションなのか癖っ毛なのかフィオーレには判断ができない。
 そのあとに快活な挨拶をしたのはシャルロット。料理当番じゃない日は髪形を完璧にセットしてくるため、大体スティーブと似たような時間に降りてくる。料理当番のときはその金髪をそれこそ一つに結わえただけでご飯を作っている。実は綺麗に着飾ったシャルロットよりもなんとなく生活感あふれるそんな一つ結びのシャルロットの方がフィオーレは好きだった。
 軽く四人であいさつを交わしてそのあとにやはりアルノルトが起きてきていないことに気がついた。その真面目で大人しく文学少年的な雰囲気とは裏腹に、アルノルトはひとりっ子として甘えて育ったくせがあるらしく朝は皆の中で一番遅くに起きてくることが多い。一番身だしなみのセットが遅くて良いから楽だともいえるが…。
「ごめんね、おはよう!」
 そんな声をあげて現れたアルノルトの髪の毛は鳥の巣みたいになっていて思わずモニカが笑いをこらえるように前かがみになってぷるぷると震えた。
「アルノー、髪ぐらい落着いてとかしてきたらどうだ?」
「え?あっ!!」
 シャルロットが苦笑して言った言葉にアルノルトはきょとんとした後に慌てて髪の毛を抑える。スティーブがそれを見て眼を細めて笑いながら「しょーがないなぁ」と腰からブラシを取り出して…
「はい、すわって」
「うん」
 アルノルトをいすに座らせてから髪の毛をとかしてやる。フィオーレはそれを見て苦笑する。一番年下で幼い性格のアルノルトが実はこのメンバーの中で一番背が高い。しかも僅差で高いのではなく結構高い。次に背の高いスティーブとの間に15cmもの差がある。スティーブはこの差があまり気に入らないようでアルノルトの頭を撫でたりアルノルトを抱きしめたりアルノルトのおでこにおやすみのキスをしたりだとか…なんだかそう言う時には必ずアルノルトを座らせるかかがませるか自分が高いところによじ登るのだ。
 フィオーレに言わせればそういう行為自体が子供っぽいので絶対にしない。が、スティーブにはアルノルトとの身長差が非常に気になる課題らしい。
 勿論、フィオーレも男性としてはかなり背が低い。しかし、今まで生きてきた中で自分の背の低さを嘆いたことはないし、からかわれていら立ったこともない。このメンバーに加わってから少しだけ価値観が変わった…。
 そう、アルノルトとシャルロットが仲良さそうにしているのを眼で追うようになってから…。

 食事が終わる。今日の予定はスティーブとシャルロットで航海クエスト。クエストに参加しないメンバーは宿で待機することにした。
 アルノルトもモニカもフィオーレも話しかけられなければあまり喋らない方なので(個々人の社交性の問題で話しかけるときもあるが)三人は宿で同じ部屋にいながら別々の事をしていた。
 モニカは読書。アルノルトは布団で羊のぬいぐるみをもふもふ。フィオーレは窓の外を眺めている。
「…アルノーってさぁ」
「ん、何?フィオ」
 フィオーレに話しかけられて嬉しそうにフィオーレの方へと歩み寄るアルノルト。フィオーレは言った。
「どうやってそこまで大きくなったの?」
「…?…平均…だと思うけど」
「やっぱ親は背が高いとか?」
「お父さんは十七歳の時に急に伸び出したって言ってたなぁ…。150cmから180cmに…」
「お前の親はバケモノか」
 照れくさそうに笑いながら話すアルノルトにフィオーレが突っ込む。しかし、男性なら成長の際にそれぐらい伸びることもあるだろう。
「小さいころからうまいもん食ってたとか?」
「あぁ…お母さんの煮込みハンバーグは美味しいよ。父さんの大好物で…」
「やっぱり肉か…」
「どうかしたの?」
「いや、別に」
 フィオーレはなんてことない会話を打ち切るようにそう言う。今までもそれでパーティメンバーの目線はごまかしてきたのだ。だが、今日のアルノルトはいつもより食い下がってきた。
「ちゃんと素直に話すって…素直に話せるようになりたいって思ったんでしょ?だったら、ぼくらにも話してよ」
「……。あー…しょーがねーなぁ。別に日ごろから恥ずかしげもなく自分の事さらけ出すって話じゃねぇんだけど…」
 そこまで言ってフィオーレは考える。こう言って嘘の悩みを打ち明ければアルノルトも、きっと聞き耳を立てているモニカも信じるだろう。そうしたらこの話は終わりだ。だが、それはなんとなく仲間を裏切るような気がして、フィオーレの数少ない良心が痛んだ。
「……やっぱ、背が高い方がもてるのかなぁーって話」
「……え?」
 予想外だったらしい。アルノルトはきょとんとしている。フィオーレは深々とため息をついてから言った。
「お前ってさぁ、ちょっと厄介なところもあるけど母性本能をくすぐるかもしれない正確とか、何に対しても熱心になれる態度とか、童顔で可愛らしいながらも男性的なきりっとした顔立ちとか、ほどほどの身長とかなり男性としてスペック高いと思うんだよ、社会人としてのスペックは低いと思うけど」
「ご…ごめん」
 褒められるついでにけなされてしょんぼりするアルノルト。勿論、すべて素直に話すのが恥ずかしかったフィオーレのちょっとしたイジワルのでもあるのだがある意味本当にこれから生きていけるのか心配もしているからこそ出た言葉でもある。とにかくフィオーレに言わせればアルノルトは空気を読めないしだらしがない。
 フィオーレは言った。
「おれ、前に姫さんの事が好きだっていっただろ?」
「うん、でもシャルロットの事はぼくに譲ってくれたんだよね?」
「そうだけどさぁ…あれからまだ数日しか経ってないのにすぐに気持ちの整理がつくかって話。まぁ、とにかく…姫さんもやっぱりアルノーに惚れてたみたいだし、男は今後背が高くないといけないのかと思ってさぁ」
「あら、そうかしら?」
 いつの間にか隣にモニカがいてフィオーレは驚いて飛び退く。モニカは心外とでも言いたげに肩をすくめて見せると続けて言った。
「私は心が男前ならいいと思うけれど…。それにしても、やっぱり最近シャルロットとアルノーの距離感が微妙なのはやっぱり付き合いだしたからなのね」
「ええぇぇう!?」
 慌てふためくアルノルト。その横でその事態も予測していたフィオーレがうなずいて言う。
「あー…女の子は敏感だよな」
「いいえ、気付いたのはスティーブが先よ」
「あっれー?」
「彼、脳みその一部が乙女だから」
「なるー」
 モニカがため息を漏らす。フィオーレも苦笑して見せる。アルノルトは言った。
「と、とにかく身長なんて気にする必要ないよ!要は心の持ちようだよ!心の持ちよう!」
「でもさー…お前、姫さんと身長に約5cmほどの差ができて自分の方が小さかったらどうよ?」
「そ…れ…は……」
「あら、フィオは私と身長変わらないじゃない。なら、シャルロットとも身長は同じくらいじゃないのかしら?」
 モニカが尋ねる。フィオは「そーだけど…といった後。自分の頭を指差した。
「何が見える?」
「頭」
「髪の毛」
「うん、お前ら絶対そう言うと思った。ポニーテールだよ、ポニーテール。あのボリューム!あれだけで結構身長が高くなってる。」
「そう言えば、ポニーテールのてっぺんが大体スティーブの頭の位置ぐらいに来てるかもね」
 アルノルトの言葉にフィオーレは「そうそう」とうなずいてみる。
 するとモニカはくすりと笑って言った。
「あら、だったら気にする必要ないわ」
「はぁ?なんでだよ?」
「フィオとスティーブが並んでると…スティーブの方が小さく見える時あるもの。その程度の背の高さなら雰囲気でどうにかなるものよ?」
「…かなぁ?」
「ええ。まぁ、今後どれぐらいの背丈のお嬢さんと付き合いたいかにもよるけど」
 モニカがふっと笑みを浮かべる。その時だった……
「なんだ、なんの話をしているんだ?」
「あっ!?…あ…あー…お帰りシャルロット」
「ん……あぁ…。い、今帰ったぞ」
 アルノルトのふわりとした笑顔に照れくさそうに頬を染め、笑顔を返すシャルロット。そこにスティーブが入ってくる。
「ただいまー。ちょっと、なんの話してたの?」
「んー……秘密…でもまぁ…スティーブぐらいまでかな」
 フィオーレがいたずらっぽく笑ってそう答える。スティーブはきょとんとして、それからにたりと意地の悪い猫の様な笑みを浮かべて言った。
「恋愛話でしょ?フィオ、俺のこと好きなんだー」
「ないない」
 フィオーレが全否定する。それを見てモニカはまた楽しそうにくすりと笑った。


ホモとかホモとかホモとか言ってるあとがき。
今回、モニカを普段より喋らせられてよかったとか思ってたりします。彼女は普段はあまりしゃべらないけどユーモアがあって、恋愛話にも興味がある普通の女の子なんですよ。ちょっと設定が中2病なだけで…。
設定的にはやっぱりゲーム版。小説とゲームだとやっぱりキャラの性格がちょっと変わるような気がします。変わるからやっぱり好きになる相手もちょっとずつ変わってくるところがあると思います。それでもくっつくのがアルノルトとシャルロットって感じ。って言うか職業名あえて出さなかったけどわかりましたでしょうか?わかりにくかったらすいません。
ちなみに、ゲーム版だと大きな違いがクリア後突入後どっかでフィオとスティーブくっつきそうだよね…という。小説では書かないけどゲーム内だとこいつらホモだよ…。は私の中では結構起こる事態です。またなんかホモ熱がわいたら裏の方にちみちみ書きに行ってきます。
ではノシ
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