明日（今日）は…

　明日（というか今日）、母と姉とともにディズニーシーに行ってきます。
　というわけで、明日（というかきょry）は日記が書けないかもしれないので今日のうちに書きます。しかし、一日を過ごしてすらいないのにネタなんてないので、小説でも一本書きます。

　ジャンルは世界樹の迷宮で死にネタ（？）でちょっとくらめで五階層の話です。一応最後には希望があります。ただ、最近の『ひぐらしのなく頃に』（第二十一話目明し編まで見ました）のせいかとことん自分の思考回路が暗くなってます。まぁ、書き終わったらたいしたことないってこともありそうですが…覚悟のできた方だけどうぞ。
　書いてたらホモよりな友情でてきちゃいました（笑）それも覚悟して下さい。


　　　　　　　　　ぼくたちは、明日に向かい
　　　　　　　　　一歩ずつ、歩いていたのに…

　風が気持ち良くて、目を細める。
　樹木に覆われた聖なる遺跡で彼は一人佇んでいる。

「　　　　　　　　」

　その口から漏れるのは天を癒す歌声。
　その瞳から溢れるのは幾筋もの涙。

　リュートの弦は何本も切れてメロディーを作らない。
　時が止まった世界の中で、彼は一人歌い続ける。

　地面に落ちるは彼の影一つと人の姿五つ。
　四つは彼のよく知る仲間。
　一つは呪われた王。

　彼は歌い続ける。
　道具はただリュートのみ。
　王の体に残っている短剣を使う必要があるとしたらそれは…

　　　　　　　歌を止める時…

　その時、扉がゆっくりと開いて…
　彼の見知った顔が入ってきた。

　リーダーは…彼らとは表向き仲はよくなかった。
　ただ、本当はお互いを高めあう好敵手であったことを知っている。

「これは…っ」

　メディックが駆け寄る。そして、死体を確認する。
　もう無駄なのに…。それらはもう…間に合わないのに…。

「どうしたんだよ…？」

　ああ…リーダーはいつもこの人と喧嘩をしていた。

「何があったんだよ！？」

　知っている…。
　リーダーが好きなのがこのライバルギルドのリーダーだってことぐらい…。
　自分じゃないってことぐらい…。

　歌は止まらない
　指が血を噴き出しても弦を弾きつづける。

「おいっ！」

　乱暴に手を掴まれて演奏が止まる。

　パラディンがリーダーを咎めるような声をあげる。

「しっかりしろ！！」
「……なんで？みんな死んだのに？
　役立たずの、バードのぼくが生きて、みんな死んじゃったのに？」

　なんで、生きているのが自分なんだろう…？
　なんで、自分以外のみんなが足を止めてしまったのだろう？
　なんで、…………

「歩こうよ…。前へ…一歩ずつ…明日に向かっていこう…」

「前なんてない…みんなが止まったのに…ぼくが…歩く道なんてない」

「おれが、お前の隣を歩いてやるよ！」

　力強い言葉だった。
　これが…自分の思い人が惚れた相手だった…。

「おれが、ずっと…歩いてやるよ…。お前と一緒に一歩ずつ…。
　だから……っ
　あいつのためにも死なないでくれ…」

　土下座されてしまった。なぜだかよく分からないが泣かれてしまった。

「泣くのはやめよう…。
　あいつだって…迷宮の謎を解き明かして生き残ったお前に
　堂々と胸を張って生きてもらいたいと思ってるはずだ」

「……あなたに指図されたくない…。
　ぼくの生き方…ぼくのこれから…」

「わりぃ…」

「でも、良いです…。泣くの…疲れたから…」

　そう言ってゆっくりと涙を拭いたら…立ち上がったリーダーに頭を撫でられた。

「よし、えらいえらい」

　太陽みたいな笑みを浮かべられて…
　あの人がこの人を好きになる理由がよくわかって
　また、泣きたくなってしまった。

「リーダーに可愛い彼女入りまぁ～す」

　お調子者のソードマンの声が響く。
　リーダーは苦笑する。

「おまえは他人の性別ぐらい確認してから物を言え」

「へ？」

「こいつ、男だぞ…？」

　その後、樹海の中にソードマンの間抜けな声が響いた。




　　　　　　　　ぼくたちは、明日に向かい
　　　　　　　　一歩ずつ、歩いてきた
　　　　　　　　だけど
　　　　　　　　その歩みも止まってしまって
　　　　　　　　立ち上がれなくなってしまった時に

　　　　　　　　手を差し伸べてくれてありがとう

　　　　　　　　一緒に歩いてくれてありがとう
　　　　　　　　これからも、あなたの隣で
　　　　　　　　明日に向かって、一歩ずつ
　　　　　　　　歩いていきたい……